2000年(平成12年)9月23日(土曜日)
八王子の市民グループ
霊園造成に待った 議会への請願は継続審議


 八王子市堀之内に予定されている霊園造成について、同市が定めた「墓地造成の基準」は墓地の新設を原則的に認めておらず、同市はこの造成を認めるべきでばないとする請願書を、地元の市民グループ21日までに、同市議会に提出した。同市都市整備部は、この造成について「既存墓地の増設で新設に当たらない」との見解で、同市議会の都市建設委員会も、請願を継続審議とし、採決を見送った。
 請願書を出したのは、多摩丘陵の里山の保全を訴える「由木の農業と自然を育てる会」(鈴木昇会長)。同会が反対しているのは同市堀之内の一丘陵地に予定されている霊園の造成で、計画では約九千九百平方bに六百八十三区画の墓地を作る。事業者にあたる同市内の寺の墓地の増設として行われ、実際の建設費は都内外の複数の石材店が負担する。
 請願書では、造成の事業者の寺と霊園予定地が約二十`も離れているうえに、このの寺の檀家数が約七十軒と少ないことから、「壇家の規模を越えて遠隔地に墓地を造成するのはビジネス主体でべ新規開発にあたる」としている。
 さらに同会は、予定地には、環境庁のレッドデータブックで絶滅危ぐ種に指定されているオオタカなど、希少な生さ物が生息していると主張し、造成に反対している。
 墓地造成の認可そのものは、宅地造成等規制法などに基づいて都が行うが、まだ許可は出ておらず、霊園は未着工の状態。
 八王子市では高尾地区で墓地造成が相次いだため、94年に新たな造成を抑える目的で「墓地造成の基準」を設けた。ごの基準に強制力はないが、「墓地の新設は原則認めない」と定めている。しかし,既存の増設は面積や緑地保存などの条件付きで認めており,市側は「今回造成予定地の霊園はこの条例を満たしている」としている。試験説委員会は今月19日,現場視察に出向いた後に審議したが,採決を求める議員はなく,継続審議となった。
 請願が継続審議となったことについて,同会の鈴木昇会長(80)は「何もないところに墓地をつくるのがどうして増設なのか。名義貸しのようなからくりを認めるようでは議会の役目を果たしていない」と反発。一方,造成の事業者の寺は「宗教に携わっている以上,信者を増やすのがつとめ。石材店も石を売らないと生活できないのだから,理解して欲しい」と話している。

 記事 訂正
 請願提出  8月24日
 署名第1回提出 1309名 9月14日
 署名第2回提出  618名 9月18日