2001年2月27日火曜日

里山の風景残していこう 八王子で来月シンポ

雑木林や水田が広がる「里山」の風景を残していこうと、八王子市で三月、シンポジウム「がんばれ里山」が開かれる。多くの生き物をはぐくむ里山のしくみを知ってもらい、保存と活用を考えようという試みだ。

シンポジウムのきっかけになったのは、八王子市堀之内で無許可の建設残土が流出し、周辺の水田に迫っている事件。昨秋に分かり、市民グループが地主から水田を借り受けて田植えなどをしている。そこでの体験を踏まえ、環境間題や日本の伝統的な農業が勉強できる現場周辺の里山を残す方法を考えようと今回、企画した。

里山には水田にすむ小さな昆虫を食べる動物が集まり、それを捕らえるワシやタカが飛ぶ。「絶滅が心配されているホトケドジョウやトウキョウサンショウウオもいる。ピラミッド状の豊かな生態系が保たれている」と、日本野鳥の会国際センターの下重喜代参事は田植え体験踏まえ市民団体企画話す。

水田の耕作が止まれば生態系は衰退してしまう。農家の高齢化が進み、土地を手放す人が増えれば、水田や雑木林自体がなくなる可能性もある。八王子市の問題は里山消滅の危機の縮図になっているという。

シンポジウムは三月十七日午前十一時から、JR八王子駅前の東急スクェアビル十二階の「八王子学園都市ホール」で。韓国映画「たんぼー生命をはぐくむ」の上映や地元酪農家による「里山今昔」の講話のあと、水川復活運動の参加者らが意見交換する。資料代五百円。